おしりのお悩みとは
“おしりから血が出た”、“おしりが痛い”、“おしりが腫れた”、“便が出にくい”などおしりの症状に関しては、デリケートな部分のお悩みだけに、なかなか人に相談しづらく、お一人で悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
しかし、現代では、およそ3人に1人が痔に罹患しているとも言われ、おしりのお悩みは意外に身近な病気なのです。
「我慢せずに相談」が治療の第一歩です。おしりの症状について、どんなお悩みでもご相談ください。長年の大腸肛門疾患の診療に関わった経験から、症状について、わかりやすく病状を説明し、薬物療法、手術療法など最も適切な方法をご提案いたします。
おしりのお悩みで診療する代表的な疾患
痔核(イボ痔)
痔核とは、いわゆるイボ痔です。痔の中で最も多くの患者様がいるとされ、肛門付近の血流が悪くなって鬱血を来たし、さらに静脈がこぶ状に膨らんだものを言います。症状としては、排便時に出血したり、肛門周囲にイボのようなものができたりします。生じる場所に応じて、内痔核と外痔核に分けられます。
裂肛(切れ痔)
便秘や下痢で肛門上皮が切れることを裂肛と呼び、痛みや出血も生じます。裂肛には急性裂肛と慢性裂肛があります。慢性化すると瘢痕化して肛門が狭くなることがあります。治療につきましては、薬による排便のコントロール、軟骨や座薬による治療を行います。薬で改善しない場合は、手術療法も考慮します。 なお、急性裂肛と慢性裂肛の特徴は以下の通りです。
急性裂肛
傷は浅く、排便時に痛みや出血を伴います。多くの場合、数日で回復します。
慢性裂肛
裂肛を繰り返すと傷が深くなり、潰瘍になります。痛みも持続し、傷の内側に肛門ポリープ、外側にイボを形成することがあります。
痔瘻(あな痔)
痔瘻とは、直腸・肛門周囲膿瘍(直腸・肛門部とその周辺の皮下、粘膜下、筋間などに膿が溜まった状態)が自潰(じかい:はぜること)したり切開排膿されたりして瘻管(トンネルのようなもの)ができた症状を言います。 痔瘻の治療は手術が基本であり、痔瘻の入り口である原発口の切除と感染の原因となった原発巣(肛門腺)の切除、そして適切なドレナージ(膿や浸出液などの排液が通る逃げ道)の作成が重要です。入院での加療が必要と判断した場合は、適切な病院を紹介いたします。